ルナ・ソサエティ

  18世紀ごろ、イギリスには、その名も<ルナ・ソサエティ>というルナティックな協会が存在していたそう。満月の晩に、アカデミズムからはちょっとはみだした科学者や天文学者たちがつどって、奇想天外な説を交し合っていたのだとか。

  おそらくそれにヒントを得て、日本でも同じような集まりを開いていた人々がいました。日本版ルナ・ソサエティというわけです。まりの・るうにいさんの月の本
  呼びかけたのは、月学なるものを提唱して、『ルナティックス』という、まるごと月に関する本まで出してしまった松岡正剛さん。
  それに応えて集まったメンバーは、フリーアナウンサー兼エッセイストの楠田枝里子さん、イラストレーターの長新太さん、稲垣足穂の本の装丁・挿画画家のまりの・るうにいさん、奇妙な味の博物学に詳しい荒俣宏さん…などなど、要するに太陽よりは月派の人たち。

  会合は満月の晩、思い思いに月に関する服装をして(月のアクセサリーをつけたり、銀色の服を着たりして)、月の見える屋上に集まるのだとか。
  ござを敷き、月球儀やら月面図やらも持ち込んで、BGMはキング・クリムゾン『ムーンチャイルド』エノケン『月光値千金』といった懲りようで、雰囲気を盛り上げていたとか。
  あるときは月の俳句にいそしみ、あるときは幻燈会を催し、またあるときは各自が杯を用意して、そこに酒を張って月を映しながら酌み交わす、なんとも風雅な月飲み会も行なっていたそう。
  そんな会に私もちょっとだけ参加してみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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